「五星戦隊ダイレンジャー」は1993年2月19日から1994年2月11日までテレビ朝日系列で毎週金曜17時30分〜17時55分に全50話が放送されたスーパー戦隊シリーズの第17作目です。
「妖力」を操り人類支配を企むゴーマ族に、「気力」を受け継いだダイレンジャーが立ち向かうというストーリーで、中国的なモチーフのオリエンタルな世界観の作品でした。
あらすじ
今から8000年前の紀元前6000年ごろ、中国南部にダオス帝国(ダオス文明)が誕生した。
そこは、サイキックパワーの能力(妖力)を使うゴーマと気力による気功術に長けたダイ族が、後の現生人類の祖先として現代文明を築く妖力や気力を持たないシュラ族を奴隷のように扱い支配していた。
だがある日、帝国の独裁を願うゴーマ族の強硬派は、覇権を狙って帝国を自分たちの支配下に置こうとダイ族に攻撃を仕掛けてきた。平和を愛するダイ族は戦いを決意し、その日から長い戦いが始まった。
長く6000年近い戦乱の末、帝国が衰退して滅亡すると共にゴーマ族は自ら眠りにつき、ダイ族は表舞台から姿を消し、戦いは終わり文明が崩壊した後、シュラ族が繁栄したことによって新たな文明が興った。
しかし現代にゴーマが復活し、暗黒の世界を作りあげようとしていた。その時、「天に輝く五つ星」が現れた。彼らは気力や拳法を使う若者で、ダイ族の生き残りである道士・嘉栩(どうし・かく)の導きにより、転身(変身)する。
出典:Wikipedia
ダイレンジャーはどんな人たち?
ダイレンジャーは「5人全員が主役」というスタンスが特に重要視されており、明確なリーダーが設定されていません。
戦隊シリーズの通例ではレッドがリーダーとして設定されますが、ダイレンジャーにおいては、生身で気力などの潜在能力が一番高いのはレッドではなくピンクであり、レッドが絶対的なリーダーというわけではありませんでした。
ダイレンジャーのメンバー
■ “天火星” 亮(てんかせい・りょう) / リュウレンジャースーツは赤。
世界一の餃子を作ることを目指し、中華料理店で働くコック見習いの23歳。5歳年下の妹・洋子がいる。紐男爵に襲われたところを龍星王に救われ、道士嘉挧に強引にダイレンジャーにスカウトされる。
第8話で、ダイ族を裏切ってゴーマ側に付いた鉄面臂張遼の息子であることが判明した。明確にダイレンジャーのリーダーと言う訳ではないが、熱血さと真面目さのバランスが取れており、他の4人からは新入りにも拘わらずリーダー格として厚い信頼を得ている。
得意拳法は赤龍拳(基になっている拳法は龍拳。パンチ技が主体となっている)。
変身後の走力は4.5秒/100m、ジャンプ力は30m、パンチ力は7.5t/平方cm、キック力は8.5t/平方cm。
赤龍双竜剣による二刀流と炎と雷を操る技を使う。得意技は「天火星・稲妻炎上破」。
■ “天幻星” 大五(てんげんせい・だいご) / シシレンジャースーツは緑。
生き物を愛する24歳のペットショップ店員。釣りが趣味であり、暇さえあればよく釣り堀に出かけている。優しい性格で表情豊かな青年だが、その反面、感情に流されない冷静さを持つ。孔雀明王の化身であるクジャクと共鳴するだけの気力を持っていたことから道士嘉挧にスカウトされる。
獅子拳(基になっている拳法は空手の基になったといわれる南拳。相手の攻撃をかわして反撃する)が得意。
変身後の走力は4.4秒/100m、ジャンプ力は30m、パンチ力は6.0t/平方cm、キック力は8.5t/平方cm。
剣道の経験者なのでそれを応用した獅子棍棒による棒術を使い、また相手に痛みを伴う幻覚を見せる技を使う。得意技は「天幻星・霧隠れ」。
■ “天重星” 将児(てんじゅうせい・しょうじ) / テンマレンジャースーツは青。
世界チャンピオンを夢見る19歳の駆け出しボクサー。母子家庭で育つ。ヤンキー風の外見に特攻服を持っているなど元暴走族らしいが、ボクシングと出会って更生した。
一本気な性格であり、それが故に良く敵の罠に落ちる。その性格は最終回で登場した彼の孫も踏襲している。しかし涙もろい一面もあり、嘉挧が息絶えた時は人目も憚らず号泣していた(第48話)。ボクサーとしての腕前はまだまだだが、むしろ5人中最強であるキック力を生かし、キック技が主体とする。
天馬拳(基になった拳法は長拳)と、ボクサーらしい俊敏な動きを武器に、足技、天馬両節棍(天馬ヌンチャク)、重力を操る技を使って戦う。
変身後の走力は4.0秒/100m、ジャンプ力は22m、パンチ力は5.8t/平方cm、キック力は9.7t/平方cm。
得意技は「天重星・重力逆転波」。
■ “天時星” 知(てんじせい・かず) / キリンレンジャースーツは黄。
20歳の天才美容師。スポーツカーに乗るキザな気取り屋で、常におしゃれなスーツで決めている。一人称は「僕」だがたまに「ミー」になる事もあり、これは最終回で登場した彼の孫も踏襲している。家出同然で上京してきた時にお世話になったおばあちゃんのラーメン屋台を手伝ったりするなど、実は優しい男である。
走るスピードに優れ、麒麟拳(その名乗りポーズから明らかだが、基になっているのは酔拳)を駆使した攻防一体の攻めを得意とする。
変身後の走力は3.8秒/100m、ジャンプ力は20m、パンチ力は6.0t/平方cm、キック力は9.0t/平方cm。
麒麟九節鞭(きりんくせつべん)というムチ状の武器と時間を操る技を使う。得意技は「天時星・時間返し」。
■ “天風星” リン(てんぷうせい・ – ) / ホウオウレンジャースーツは桃色。
中国から日本の大学に来た18歳の留学生で、ダイレンジャーの紅一点。第33話ではゴーマの策略でアイドルデビューした。道士嘉挧の姪であり、時に彼を「おじさま」と呼ぶ(公式にそう設定されており、小学館の「五星戦隊ダイレンジャー超全集」にも明記されている)。
真面目で優しい性格であり、無理やり部屋に上がりこんできたコウを当初は拒絶していたが、後に考えを改めて彼と同居するようになる。その後は将児に「まるで母親」と言われるほど面倒を見ている。5人の中で最も気力が強く、中盤までは彼女が唯一転身前でも気力を使う事が出来た。第1話では眼鏡をかけていた。
身軽な動きで相手を翻弄する鳳凰拳を得意とし、中国風の槍・槍鳳凰(やりほうおう)と嵐を巻き起こす気力技を使う。
変身後の走力は5.2秒/100m、ジャンプ力は15m、パンチ力は4.3t/平方cm、キック力は7.2t/平方cm。
得意技は「天風星・一文字竜巻」。
■ “吼新星” コウ(こうしんせい・ – ) / キバレンジャー第17話より登場。スーツは白。
幼い頃にダイ族出身の母と生き別れになり、叔父夫婦に育てられた小学生。9歳(初登場時、第44話で10歳)。その後リンと同居するようになる。
白虎真剣の力で大人の体格(とは言うものの、かなり小柄である)を持つキバレンジャーに変身する、2022年現在スーパー戦隊史上最年少の戦士。
スケボーが得意。性格はいたって腕白で、リンの胸を触ったり、気力で女の子のスカートめくりをしたりとませている。当初はキバレンジャーの正体は秘密になっており、そのため、第29話までは声で正体がばれないように白虎真剣がアテレコで喋っていた。この時点で彼の正体を知っていたのは嘉翔だけだった。
父親がゴーマ族の者であり、両者の混血によって将来ゴーマの血が凶暴化する事を母によって見抜かれ、腕に虎の焼印を施され10歳まで力を封印されていた。12月24日の誕生日までに母親と接触しなければ、ゴーマの人間となってしまう。その前兆として誕生日前から精神面のゴーマ化が見られ、ダイレンジャーの前に現れ破壊活動を行う事もあった。また阿古丸とは初登場の時から因縁の相手として度々衝突するが、終盤になってコウと阿古丸は双子であるという関係が明らかにされた。
あらゆる音を操る能力を持ち、衝撃波を主な武器とする。得意技は「吼新星・乱れ山彦」。
出典:https://supersentai.fandom.com/ja/wiki/五星戦隊ダイレンジャー
各メンバーのストーリーが重厚
ダイレンジャーはメンバーそれぞれが主役の回があったりして、各メンバーのストーリーが重厚です。
リュウレンジャーの亮は、親父が敵の“ゴーマ族”に寝返った裏切り者だった事実が判明するエピソードがあったり、シシレンジャーの大五はクジャクとのラブロマンスがあったり、テンマレンジャーの将児はゴーマ族の怪人と心を通わせるエピソードがあったりと、大人になってから観ても見応えがあります。
個性的な必殺技
ダイレンジャーのメンバーはそれぞれ気力を使った個性的な必殺技を持っていますが、その中でも筆者はシシレンジャーの必殺技「天幻星・霧隠れ」が好きでした。
敵に幻覚によるダメージを与える技なのですが、手から幻覚の総武線や山手線の列車を出すのがとてもユニークでした。
以前、マツコと有吉が出演する番組でも取り上げられていたので、ご覧になった方も多いかもしれません。
電車の他にも自転車に乗った女性の攻撃などがありました(なんか弱そう…)。
衝撃的な最終回の内容
ダイレンジャーは最終回も衝撃的で、一部ではトラウマ級などとも言われています。
また、最終回近くの道士・嘉栩が死んでしまう回も印象に残る回でした。
最終回の内容ですが、バッドエンドなのかハッピーエンドなのか、どちらとも言えない内容となっています。
以下が最終回のあらすじです。
最終回は、宇宙から飛来した大神龍がゴーマ宮を攻撃し続ける中、ゴーマ16世となったゴーマの幹部シャダムとダイレンジャーが激闘を繰り広げるところから始まります。
気力と妖力の衝突による衝撃でゴーマ宮の天井を砕き、瓦礫が降り始めます。
そこで「みんな」という声が聞こえ、ダイレンジャー達が声のする方を見上げると、死んだはずの道士・嘉栩の姿が宙に浮かんでいます。
嘉挧は、「愚かな戦いをやめ、今すぐここから逃げるんだ。気力と妖力は光と影、正義と悪。この世のものが全て二極から成り立つように、気力と妖力もまた表裏一体。もとはひとつなのだ」「勝負は永久につかない。去れ。去るのだ!!」という言葉を残して消えてしまいました。
ゴーマ宮の被害が限界に達し、宙に浮いていた宮が遂に地上に墜落します。
崩壊するゴーマ宮の中、ダイレンジャーたちの転身が自然に解け、6人が手にしていた天宝来来の玉が手を離れ、飛んでいきます。
シャダムも、ゴーマ16世の姿から元のゴーマ幹部の姿に戻り、彼の大地動転の玉も、その手を離れます。
崩壊するゴーマ宮の中、シャダムが逃げ惑います。
亮だけがシャダムを追いかけ、必死に争います。
ナイフを繰り出したシャダムと亮が取っ組み合いになり、最終的にナイフはシャダムの腹に突き刺さります。
苦しむシャダムの口から流れ出たのは、血ではなく泥でした。
シャダムの全身が次々に泥と化し、崩れます。
先代支配者ゴーマ15世や他の幹部は、シャダムがゴーマを裏から操る為に作り上げた、命を持った泥人形だったのですが、シャダム自身もまた、泥人形だったのです。
ゴーマ宮から逃げ去った5人が見つめる中、宮が爆破します。
亮も間一髪ゴーマ宮から逃げ出し、夕陽を背に満身創痍の状態で5人の元へ戻ってきました。
ゴーマが滅び、ダイレンジャーを解散してから瞬く間に50年が経過します。
東京駅地下のダイレンジャー基地に、ダイレンジャー同窓会のために年老いたメンバー達が集まってきます。
4人が集まる中、最後に年老いた亮が会場にやってきます。
亮は「大変じゃぁ、ゴーマが、ゴーマが現れおった!」と言い、テレビをつけると、画面には第1話で登場した紐男爵(色違い)が暴れ回る様子が映し出されています。
紐男爵が暴れる中、どこからか若い頃の亮、大五、将児、知、リンに瓜二つの5人が現れます。
5人は亮たちの孫だったのです。
かつての亮たちと同じようにゴーマに立ち向かう5人の様子を見て、亮の脳裏に道士・嘉栩の言葉が蘇ります。
「一つの力を二つに分け、お互いが争いながら永遠に生きてゆく。これ即ち人間の宿命なのだ。妖力が滅べば気力も滅び、気力が残れば妖力もまた残る。全ては虚しい戦いなのだ」
亮は「すべては繰り返される。地球の平知を守るために、人は永久に戦い続けるんだ。」と呟き、道士の言葉を噛み締めます。
孫たちはダイレンジャーに転身し、気伝獣も出現、大連王となって紐男爵と激闘が始まります。
必殺技が炸裂し、新生ダイレンジャーが勝利します。
そしてここに、また新たな戦いの幕が切って落とされたのです。
まとめ
ダイレンジャーの最終回がトラウマ級に衝撃と言われる理由
- 亮がシャダムの腹にナイフを突き刺すシーンがあること
- シャダムが泥人形となって崩れていくシーンがあること
- ゴーマが復活し、再び戦いの幕が切って落とされたところで終わること
大人になってからダイレンジャーを観ると、色々つっこみたい部分もありますが、1話1話は面白いので、観て損はないと思います。
ダイレンジャーはDVDの購入やVODサービスを利用することで、今でも観ることができますので、興味のある方は是非ご覧ください。
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