家を購入する時にほとんどの人が利用するのが住宅ローン。
住宅ローンにも様々な種類があり、どこで借りるかによっても商品性が異なります。
大きく「フラット35」、「民間金融機関の住宅ローン」、「財形住宅融資」の3種類に分けられるので、それぞれについて紹介します。
1.フラット35
フラット35とは、住宅金融支援機構と民間の金融機関が提携した全期間固定金利の住宅ローンです。
35年間の全期間固定金利のため、完済まで金利変動がなく、金利上昇の不安がない点が最大のメリットです。
その他の主な特徴は以下の通りです。
- 借入額は最高8,000万円
- 保証料や繰上げ返済手数料がゼロ
- 取扱金融機関によって金利が異なるため、金融機関選びもポイント
- フラット35は、健康上の理由から団体信用生命保険への加入が難しい人でも、住宅ローンの利用が可能
※民間の金融機関では、住宅ローンの利用には団体信用生命保険への加入を必須とする場合が多いです
フラット35のメリットばかり取り上げましたが、デメリットもあります。
- 民間金融機関の住宅ローンの変動金利型と比較すると金利が高め
- 借入額が住宅価格の9割を超えると金利が高くなる
変動金利型を選択した場合、将来的に金利が上がる可能性があるものの、完済時まで金利が全期間固定金利の水準を上回らない場合、変動金利型の方が返済総額は少なくなります。
なお、フラット35の商品には様々な商品があるのでご紹介します。
(他にも商品はありますので、ご自身に適した商品を選択してください)
- フラット35S:省エネルギー性や耐震性など質の高い住宅を取得する場合に適用可能なローン。フラット35よりも一定期間金利が0.25%低くなる。
- フラット20:借入期間を15年以上20年以下にすることで、金利を下げられるローン。
- フラット35リノベ:中古住宅の取得と、リフォーム費用をまとめて借入できるローン。
- フラット50:「長期優良住宅」と国に認定された住宅の購入で利用できるローン。返済期間を最長50年まで設定できる。
ずっと金利が変わらない(返済額が変わらない)安心感を重視するのであれば、フラット35を検討するのも良いかもしれません。
2.民間金融機関の住宅ローン
都市銀行や地方銀行、外資系銀行のほか信用金庫等、様々な民間金融機関の住宅ローンを利用することができます。
フラット35のような全期間固定金利の他、その時どきの情勢によって金利が変動する変動金利型や、一定期間の金利が固定される固定金利選択型などがあります。
金利や返済期間をはじめとする商品性は、各金融機関によって異なります。
フラット35よりも収入基準や面積等の条件が比較的緩やかであるため、柔軟な対応が可能です。
ただし、保証料や繰上げ返済手数料が必要となる場合がほとんどですので、ご注意ください。
民間の金融機関の住宅ローンを利用する最大のメリットは、フラット35よりも低金利での借入が期待できる点です。
また、複数の金融機関に審査申込をして競わせることによって、金利の引き下げ交渉を行うことも可能です。
忙しい人のために、「住宅本舗」という一度の入力で複数の金融機関に申込みができるサービスがあります。
※下記バナーから「住宅本舗」サイトへアクセスできます。
一括審査サービスを利用して、あなたの最適な住宅ローンを選択してください。
3.財形住宅融資
財形住宅融資が利用できるのは、勤務先に財形貯蓄制度がある場合です。
給与などから天引きされるため、計画的な頭金づくりにも役立ちます。
主な利用条件は以下の通りです。
- 1年以上にわたって継続して財形貯蓄を行うこと
- 財形貯蓄の残高が50万円以上であること
- 融資額は財形貯蓄残高の10倍以内、もしくは所要額の90%で、最高4,000万円まで借入可能
- フラット35との併用も可能!
補足
住宅ローンの返済方法には、ボーナス月に返済額を増やし、毎月の返済額を低減する「ボーナス返済」があります。
ボーナス返済を利用する方も多くいらっしゃいますが、ボーナス収入は景気の影響を受けやすいため、安易に利用しない方が良いです。
事実、コロナ禍による業績悪化に伴いボーナスが減少したことによって、「ボーナス月の返済ができない」という声を聞きます。
なお、ボーナス返済は利用せず、ボーナスは貯蓄にまわして、ある程度まとまった金額になったところで繰上げ返済するという方法もあります。
繰上げ返済は全額を元金の返済に充てることができるため、支払利息額を大きく減らすことが可能です。
繰上げ返済は、ある程度早い時期に行った方が、支払利息額の低減効果は大きいですが、ボーナスによる貯蓄を、投資により、高い利回り(※)で運用できるのであれば、必ずしも繰上げ返済を優先させるべきではないと考えます。
※具体的には、住宅ローンの支払利息よりも高い運用益を得ることができる場合